依存の関係
ハッピーウェディングストーリー「結婚しよ。」 〜Day3〜
別れてすぐの私は、
「今までありがとう☆
私は大丈夫だから、どうか幸せになってね」
というお利口さんな自分と
「そっちが浮気したんだから。
私は悪くない」
という怒りの自分と
いろいろな自分が交差していました。
新しい道に進むために、
まず私は友人のSくんに会いにいきました。
彼は、女性のためのコーチングスクールの運営をしていて、
いつも私に的確なアドバイスをくれる存在でした。
待ち合わせ場所の外苑前の大戸屋で、注文を済ませるなり、
私は彼に、彼のしていることを手伝わせてほしいと頼みました。
私は早く新しい道に進み、
元彼の残像を消したいと思っていました。
Sくんは、
しばらく私を見つめたあと、
こう言いました。
「うーん…
それは嬉しいけれど、
あやみんが本当に心から彼に感謝できなければ、
^^^^^^^^^^
一緒にやることはできないな」
唖然としました。
その次に出てきた自分の言葉に、
私自身、びっくり…
「感謝なんて…
できるわけないでしょーーーー‼(号泣)」
大戸屋中の人の目線を感じながらも、とめどなく溢れる涙を、
私は止めることができませんでした。
Sくんは、優しくみつめながら、
こう尋ねました。
「あやみん、
今、自分のこと、どのくらい好き?」
「30%くらい…」
とっさに出てきた答えでした。
「うん。
きっと彼もそうなんだと思うよ。
お互いが30%しか自分のことを認めてなくて、
残りの70%は、相手に埋めてもらおうとしてたんだよね」
私は泣きじゃくりながら、うなずきました。
「でもね、
足りない部分は、自分でしか埋めることはできないんだ。
だから、いつまでも足りない足りないと、求め続けたんだよね?」
図星でした。
さみしさがどんどん強まっていく関係。
いつまでたっても、埋まらない心の空洞。
「でもね…」
そのあとに続けられたSくんの言葉は、私をどん底から救いあげてくれるものでした。
「その70%を埋めてあげたいと
がんばってた彼の愛は、
そこにあったでしょ?」
また涙が溢れました。
今度は、悔しさや悲しさや怒りでなく、
深い気付きと感動と感謝の涙でした…
そうだ。
5年間の最後のときが真っ黒な思い出で終わってしまったけれど、
ずっと愛してくれていた彼が
そこにはいたんだ。
たった30分ほど前に、
怒りの感情全開でこの大戸屋に入った私が、
今は全身から感謝の想いが溢れていました。
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